朝教室に入れば真っ先に西宮を探す。
休み時間になれば無意識に西宮のいる方向へ目が向く。
グループ活動になれば同じ班になれないかと期待する。廊下ですれ違えば、それだけで少し嬉しくなる。
全部ただの好意だと思っていた。友達として気になるだけだと。
だから自分でも気づかなかった。
気づかないまま、俺の目線はいつも西宮を追い続けていた。
朝も昼も放課後も。気づけば見ていた。
だからこそ知ってしまった。
ずっと見ていたから。誰よりも見ていたから。
西宮が見ている相手も。俺は知っていた。
『東、ここの問題わかる?』
昼休み。数学のプリントを片手に西宮が俺の机へやって来る。その瞬間だけは胸の奥が少し浮き立つ。嬉しかった。俺を頼ってくれたことが。俺を見つけてくれたことが。
だけど。
『西宮。汀に頼んな。自分で解け』



