君に捧げるアイラブユー




『こういうの苦手でさ~。性格出るよね』

『そう?』

『出るよー。絶対出る』



そう言って、手に持っていた資料を机の上に置く。どうやら少し飽きてきたらしい。頬杖をついて、窓の外をぼんやり眺める。夕陽が差し込み、西宮の横顔を柔らかく照らしていた。



『東は、真っすぐで綺麗。そのままだよ』



ふいに落ちてきた言葉に、思考が止まった。



『……え?』

『ほら。私は大雑把だし、せっかちだから』



ははは、と自分で笑いながら肩をすくめる。だけど次の瞬間、西宮は真面目な顔になった。



『東は違うじゃん』



その声は静かだった。教室の中に溶けてしまいそうなくらい。だけど不思議と、耳にははっきり届いた。



『いつも真っすぐでいい人だし、綺麗だと思う』



綺麗。その言葉が胸の奥に落ちた瞬間、心臓が大きく鳴った。ドクン、と。嫌になるくらい大きな音だった。



『……初めて言われた。そんなこと』



本当に初めてだった。今まで生きてきて、「真面目」とか「優しい」とかは言われたことがある。でも綺麗なんて言葉を向けられたことは一度もない。ましてや男の俺に。