君に捧げるアイラブユー




カチャン。カチャン。ホッチキスの音が続く。

静かな教室。夕暮れの光が窓から差し込み、西宮の横顔を淡く染めていた。

そのときだった。



『えーと……なに?』



不意に視線を感じて顔を上げると、西宮がじっとこちらを見ていた。慌てたように肩を揺らした西宮は、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。



『あっ、ごめん……綺麗に資料まとめるなあと思って……』



そう言いながら、西宮の視線は俺の顔じゃなくて、ホッチキスを持つ指先へ向けられていた。

……いや、そんなに見られると逆にやりづらいんだけど。



『ごめん。俺、遅い?』



思わずそう聞くと、西宮はぶんぶんと首を横に振った。



『違うの!』



少し大きな声が教室に響く。



『雑な私とは大違いだから……』



なぜか申し訳なさそうな顔をしている。俺は手元の資料と西宮がまとめた資料を見比べた。

すると確かに、西宮の方は少しだけ端がずれていたり、ホッチキスの位置が微妙に違っていたりする。だけどそんなの気になるほどじゃない。