<こんな人がいたのか。長い間知らなかったことが悔しい。これほど似ているならもっと低い身分の女性でもありがたく思っただろう。ましてこの人は、亡き八の宮様はお認めにならなかったらしいが、実のお子なのだ>
薫の君はうれしくお思いになる。
今すぐそばへ行って、「生きていらっしゃったのですね」とおっしゃりたいくらい。
<昔の中国の皇帝は、地の果てまで亡き妃を探しにいかせたが、使者が持ち帰ったのは妃のかんざしだけだったと言う。そんなのはよけいにつらい。それに比べて私はどうだ。別の人間とは言え、これほどそっくりなら十分心が慰められるだろう>
一目でお心が奪われたのだから、これは運命だったのでしょうね。
弁の尼は少し話をしていたけれど、すぐに自分の部屋に戻っていった。
薫の君の香りに気づいて、
<どこかで覗いていらっしゃるようだ>
と分かってしまったの。
それで無難なお話だけをして下がったみたい。
薫の君はうれしくお思いになる。
今すぐそばへ行って、「生きていらっしゃったのですね」とおっしゃりたいくらい。
<昔の中国の皇帝は、地の果てまで亡き妃を探しにいかせたが、使者が持ち帰ったのは妃のかんざしだけだったと言う。そんなのはよけいにつらい。それに比べて私はどうだ。別の人間とは言え、これほどそっくりなら十分心が慰められるだろう>
一目でお心が奪われたのだから、これは運命だったのでしょうね。
弁の尼は少し話をしていたけれど、すぐに自分の部屋に戻っていった。
薫の君の香りに気づいて、
<どこかで覗いていらっしゃるようだ>
と分かってしまったの。
それで無難なお話だけをして下がったみたい。



