賀茂神社のお祭りがすんだころ、薫の君は宇治へお行きになった。
お堂の工事の進み具合を確認して、今後のことをご指示なさる。
以前の山荘はお堂にするために取り壊して運んでしまった。
でも、山荘のあった場所にはもう新しいお屋敷ができあがっている。
<ここまで来たのだから、弁の尼に会いにいってやらなければ気の毒だ>
薫の君は建ったばかりのお屋敷にいらっしゃった。
すると、宇治橋を渡ってこちらへやって来る行列がある。
質素な乗り物がひとつ。
お供は荒々しい警護の男と、下働きの人がたくさん。
<田舎者のようだが>
ちらりとご覧になると、弁の尼がいる建物にお入りになった。
薫の君のお供はまだお庭にいる。
その向こうから、先ほどの行列が近づいてくる。
どうやらこの山荘のお客みたい。
「何者か聞いてまいれ」
と家来にお命じになってしばらくすると、関東訛りの返事が聞こえた。
「常陸の国の元長官の姫君です。長谷寺でのお参りをすませ、今お戻りになったのです」
薫の君ははっとなさる。
<もしかしたら中君がおっしゃっていた異母妹の姫君では>
ご自分のお供を目立たないところに隠すと、もう一度家来を行かせなさる。
「どうぞ乗り物をお入れください。実は私の主人も来ているのですが、姫君のお部屋からは遠いところにおりますので」
と、姫君一行が安心するように言わせなさった。
お堂の工事の進み具合を確認して、今後のことをご指示なさる。
以前の山荘はお堂にするために取り壊して運んでしまった。
でも、山荘のあった場所にはもう新しいお屋敷ができあがっている。
<ここまで来たのだから、弁の尼に会いにいってやらなければ気の毒だ>
薫の君は建ったばかりのお屋敷にいらっしゃった。
すると、宇治橋を渡ってこちらへやって来る行列がある。
質素な乗り物がひとつ。
お供は荒々しい警護の男と、下働きの人がたくさん。
<田舎者のようだが>
ちらりとご覧になると、弁の尼がいる建物にお入りになった。
薫の君のお供はまだお庭にいる。
その向こうから、先ほどの行列が近づいてくる。
どうやらこの山荘のお客みたい。
「何者か聞いてまいれ」
と家来にお命じになってしばらくすると、関東訛りの返事が聞こえた。
「常陸の国の元長官の姫君です。長谷寺でのお参りをすませ、今お戻りになったのです」
薫の君ははっとなさる。
<もしかしたら中君がおっしゃっていた異母妹の姫君では>
ご自分のお供を目立たないところに隠すと、もう一度家来を行かせなさる。
「どうぞ乗り物をお入れください。実は私の主人も来ているのですが、姫君のお部屋からは遠いところにおりますので」
と、姫君一行が安心するように言わせなさった。



