野いちご源氏物語 四九 宿木(やどりき)

お酒が出され、夕霧(ゆうぎり)大臣(だいじん)様が(みかど)から(さかずき)をいただかれる。
何度目かで、「次は(かおる)(きみ)がいただくように」とお(ゆず)りになった。
その場には親王(しんのう)様や他の上級貴族もいらっしゃるけれど、今夜の宴会(えんかい)の目的を考えれば、薫の君に譲るのがよいだろうと判断なさったの。

薫の君は最初は遠慮(えんりょ)なさったけれど、帝もそれがよいとお思いのようだから、ご立派に杯をいただかれた。
しきたりどおりの作法をなさっても、帝の婿君(むこぎみ)だと思うせいかしら、すばらしく見えるのよね。

お庭に下りてお礼の(まい)をなさる。
見事(みごと)に舞われた後、お戻りになるお席は一番下座(しもざ)だから、なんだかお気の毒になってしまう。