女二の宮様が三条のお屋敷にお引越しなさる日が近づいている。
「占いによると、しばらく三条の方角へのご移動は縁起が悪くなるようですので」
という理由で、四月の初めのうちにお引越しなさることになった。
その前日、帝は、女二の宮様の藤壺で藤の宴を開催なさった。
お身内でのお別れの会というのではなく、公式行事として立派な準備がされる。
夕霧大臣様をはじめとした貴族たちはもちろん、親王様たちもご出席なさった。
藤壺の隣の建物では専門家たちが演奏をしている。
藤壺でも帝や貴族たちによる音楽会が始まった。
女二の宮様は宝物の楽器を提供なさって、大臣様たちがそれらを帝の御前にお運びする。
薫の君の母君である尼宮様からも楽器が提供された。
亡き父上皇様から相続なさった宝物よ。
薫の君はご自分の笛を持っていかれた。
この笛は、薫の君の本当の父君である、衛門の督様が愛用なさっていたものよ。
遺品として夕霧大臣様が受け取られたけれど、大臣様から亡き源氏の君を経由して、薫の君のお手に渡った。
衛門の督様のご遺志どおりになったわ。
<以前、この笛の音色を帝がおほめくださった。今回の華やかな宴ほどこの笛にふさわしい場はないだろう>
とお持ちになったのでしょうね。
夕霧大臣様に和琴、匂宮様に琵琶というように帝が与えていかれる。
薫の君は最高の音色で笛をお吹きになった。
貴族のなかで歌の上手な人が歌って、楽しく夜が過ぎていく。
「占いによると、しばらく三条の方角へのご移動は縁起が悪くなるようですので」
という理由で、四月の初めのうちにお引越しなさることになった。
その前日、帝は、女二の宮様の藤壺で藤の宴を開催なさった。
お身内でのお別れの会というのではなく、公式行事として立派な準備がされる。
夕霧大臣様をはじめとした貴族たちはもちろん、親王様たちもご出席なさった。
藤壺の隣の建物では専門家たちが演奏をしている。
藤壺でも帝や貴族たちによる音楽会が始まった。
女二の宮様は宝物の楽器を提供なさって、大臣様たちがそれらを帝の御前にお運びする。
薫の君の母君である尼宮様からも楽器が提供された。
亡き父上皇様から相続なさった宝物よ。
薫の君はご自分の笛を持っていかれた。
この笛は、薫の君の本当の父君である、衛門の督様が愛用なさっていたものよ。
遺品として夕霧大臣様が受け取られたけれど、大臣様から亡き源氏の君を経由して、薫の君のお手に渡った。
衛門の督様のご遺志どおりになったわ。
<以前、この笛の音色を帝がおほめくださった。今回の華やかな宴ほどこの笛にふさわしい場はないだろう>
とお持ちになったのでしょうね。
夕霧大臣様に和琴、匂宮様に琵琶というように帝が与えていかれる。
薫の君は最高の音色で笛をお吹きになった。
貴族のなかで歌の上手な人が歌って、楽しく夜が過ぎていく。



