野いちご源氏物語 四九 宿木(やどりき)

一月の終わりごろ、中君(なかのきみ)はご出産が近づいているらしく、これまでとは違う苦しみ方をなさるようになった。
匂宮(におうのみや)様は出産がどのようなものかご存じない。
<どうなってしまうのだろう>
とおろおろなさって、すでにあちこちのお寺でさせている安産(あんざん)祈願(きがん)をさらに追加なさる。

ひどいお苦しみが続くので、明石(あかし)中宮(ちゅうぐう)様からもお見舞いのお使者(ししゃ)がやって来た。
ご結婚から一年半、(みや)様のご愛情は深いけれど、世間は中君のことをそれほど重んじてはいなかった。
でも、宮様の最初のお子をご出産なさる上に、中宮様からもお見舞いがあったということで、急にあちこちの貴族もお見舞いをするようになってきたわ。