お庭の草花はほとんど枯れてしまっているけれど、すすきだけは穂がゆらゆらと手招きするように揺れている。
まだふんわりとした穂が出ていないものは、露がつくと、まるできらきらとした宝石を刺したみたい。
毎年の秋の光景だけれど、物寂しい夕風に誘われて宮様がおっしゃった。
「穂の出ていないすすきは秘密の恋に苦しんでいるのだろうな。泣いたように露で濡れているのだから。あなたも同じなのではありませんか」
上着を羽織るだけにしたくつろいだお姿で、琵琶をお弾きになっている。
穏やかだけれど悲しい音色が中君のお心にもしみる。
いつまでもすねていられなくて、ついたてから少しお顔をお出しになった。
ご懐妊でやつれて、ますます可憐でいらっしゃる。
「宮様のお心こそ、あんなふうに揺れていらっしゃるのでしょう。私に飽きてしまわれたのだと分かります。何もかも私の不運のせいでございますけれど」
そうお返事なさったけれど、さすがに気恥ずかしくなって、涙ぐんだお顔を扇でお隠しになる。
<こういういじらしい人だから、薫の君も諦められないのだろう>
中君の長所まで疑いの理由にしてしまわれる。
まだふんわりとした穂が出ていないものは、露がつくと、まるできらきらとした宝石を刺したみたい。
毎年の秋の光景だけれど、物寂しい夕風に誘われて宮様がおっしゃった。
「穂の出ていないすすきは秘密の恋に苦しんでいるのだろうな。泣いたように露で濡れているのだから。あなたも同じなのではありませんか」
上着を羽織るだけにしたくつろいだお姿で、琵琶をお弾きになっている。
穏やかだけれど悲しい音色が中君のお心にもしみる。
いつまでもすねていられなくて、ついたてから少しお顔をお出しになった。
ご懐妊でやつれて、ますます可憐でいらっしゃる。
「宮様のお心こそ、あんなふうに揺れていらっしゃるのでしょう。私に飽きてしまわれたのだと分かります。何もかも私の不運のせいでございますけれど」
そうお返事なさったけれど、さすがに気恥ずかしくなって、涙ぐんだお顔を扇でお隠しになる。
<こういういじらしい人だから、薫の君も諦められないのだろう>
中君の長所まで疑いの理由にしてしまわれる。



