野いちご源氏物語 四九 宿木(やどりき)

(かおる)(きみ)は事情をくわしくお聞きになったことで、
大君(おおいぎみ)中君(なかのきみ)異母妹(いぼまい)というのは本当らしい。会ってみたい>
とご興味がわいた。
「大君に少しでも(ゆかり)のある人を探したいと思っていたのだ。亡き(はち)(みや)様はお認めにならなかったようだが、まぎれもなく大君の異母妹君(いもうとぎみ)だろう。その中将(ちゅうじょう)(きみ)という母親がこのあたりを訪ねてくることがあったら、私が姫君(ひめぎみ)に興味を持っているとさりげなく伝えてほしい」

「かしこまりました。中将の君は亡きご正妻(せいさい)(めい)にあたる人なのです。その点でも姫君と大君はご親戚と申せましょう。二条(にじょう)(いん)女房(にょうぼう)が知らせてくれたところでは、中将の君は八の宮様のお墓参りをしたがっていたとか。それならこの山荘(さんそう)に何か言ってくるはずですが、今のところ連絡はございません。連絡があったときにあなた様のお言葉をお伝えいたしましょう」