薫の君も苦しんでいらっしゃる。
恋心が押さえきれなくなって、先日と同じように夕方お越しになった。
前回のことに懲りた中君は、縁側ではなく、これまでどおり濡れ縁に客席をご用意させなさる。
その上で、
「ひどく具合が悪いものですから、お話はできません」
と女房を通じておっしゃった。
薫の君はおつらくて涙までこぼれそうなのを、人目を気にして我慢なさる。
何気ないふうを装って、後見役らしくおっしゃった。
「ご病気のときは僧侶や薬師でさえもっとおそばに上がるのです。私がそれより下の扱いを受けるのでは、ご後見のしがいがありません」
先日のおふたりを見ていた女房が気を回す。
<あの夜は、薫の君が簾のうちにお入りになってまで、何かお話しなさっていた。いつもご親切に後見してくださる方なのだから>
と薫の君の味方をして、中君に申し上げる。
「このお扱いはお気の毒でございます。やはり縁側に入れてさしあげなされませ」
中君はお嫌だけれど、仕方なく薫の君を縁側にお入れになった。
女房がこれほど言うのに、無理に拒んだら怪しまれそうだもの。
縁側と中君のお部屋の間には簾をおろしてある。
先日はこの簾をくぐって薫の君が押し入っていらした。
中君はため息をつきながら簾に近づいて、直接お話しになる。
恋心が押さえきれなくなって、先日と同じように夕方お越しになった。
前回のことに懲りた中君は、縁側ではなく、これまでどおり濡れ縁に客席をご用意させなさる。
その上で、
「ひどく具合が悪いものですから、お話はできません」
と女房を通じておっしゃった。
薫の君はおつらくて涙までこぼれそうなのを、人目を気にして我慢なさる。
何気ないふうを装って、後見役らしくおっしゃった。
「ご病気のときは僧侶や薬師でさえもっとおそばに上がるのです。私がそれより下の扱いを受けるのでは、ご後見のしがいがありません」
先日のおふたりを見ていた女房が気を回す。
<あの夜は、薫の君が簾のうちにお入りになってまで、何かお話しなさっていた。いつもご親切に後見してくださる方なのだから>
と薫の君の味方をして、中君に申し上げる。
「このお扱いはお気の毒でございます。やはり縁側に入れてさしあげなされませ」
中君はお嫌だけれど、仕方なく薫の君を縁側にお入れになった。
女房がこれほど言うのに、無理に拒んだら怪しまれそうだもの。
縁側と中君のお部屋の間には簾をおろしてある。
先日はこの簾をくぐって薫の君が押し入っていらした。
中君はため息をつきながら簾に近づいて、直接お話しになる。



