<安心して頼っていただける後見役でいつづけよう>
と思われるのに、中君のことがずっと気にかかってお苦しい。
以前よりも丁寧なお手紙をお送りになる。
ともすれば隠しきれない恋心を訴えなさるから、中君は、
<面倒なことになった>
とお嘆きになる。
相手が全然知らない男なら、「正気を失っているのですね」と恥をかかせて追い返すこともできる。
でも、薫の君は昔から後見役として頼ってきた人だもの。
急に仲が悪くなったら、かえって世間にあやしまれてしまう。
中君としても、ご親切な後見ぶりには感謝していらっしゃる。
かといって気持ちが通じ合っているかのように文通するのはよくないような気がなさる。
どうしたらよいだろうかと思い乱れて周りを見回してごらんになるけれど、ご相談相手になりそうな若い女房は、みんな最近雇われた人なの。
まだ気を許しきっていない女房に打ち明けられるお話ではない。
かといって信頼できる昔なじみの女房は、山荘から連れてきた年寄りばかり。
共感しながら話し合える人がいなくて、中君は大君を思い出していらっしゃる。
<姉君が生きていらっしゃったらご相談できたのに。でも姉君がいらっしゃれば、薫の君はこんな下心を私に抱かれなかったはずだ>
大君がお亡くなりになったことがつくづくお悲しい。
匂宮様が六の君に夢中で冷たくなられることよりも、薫の君の恋心を苦しくお思いになる。
と思われるのに、中君のことがずっと気にかかってお苦しい。
以前よりも丁寧なお手紙をお送りになる。
ともすれば隠しきれない恋心を訴えなさるから、中君は、
<面倒なことになった>
とお嘆きになる。
相手が全然知らない男なら、「正気を失っているのですね」と恥をかかせて追い返すこともできる。
でも、薫の君は昔から後見役として頼ってきた人だもの。
急に仲が悪くなったら、かえって世間にあやしまれてしまう。
中君としても、ご親切な後見ぶりには感謝していらっしゃる。
かといって気持ちが通じ合っているかのように文通するのはよくないような気がなさる。
どうしたらよいだろうかと思い乱れて周りを見回してごらんになるけれど、ご相談相手になりそうな若い女房は、みんな最近雇われた人なの。
まだ気を許しきっていない女房に打ち明けられるお話ではない。
かといって信頼できる昔なじみの女房は、山荘から連れてきた年寄りばかり。
共感しながら話し合える人がいなくて、中君は大君を思い出していらっしゃる。
<姉君が生きていらっしゃったらご相談できたのに。でも姉君がいらっしゃれば、薫の君はこんな下心を私に抱かれなかったはずだ>
大君がお亡くなりになったことがつくづくお悲しい。
匂宮様が六の君に夢中で冷たくなられることよりも、薫の君の恋心を苦しくお思いになる。



