翌朝はのんびりと朝寝坊なさった。
宮様はご自分のお部屋にはお戻りにならず、中君と身支度を整え、ご朝食を召し上がる。
六条の院では輝くほど豪華な家具に囲まれていらっしゃったの。
こちらのお屋敷ののどかな雰囲気にほっとなさる。
あちらの女房たちはめずらしすぎる着物を着ていたけれど、こちらは着慣れたものを着て、落ち着いて働いている。
中君は優しい色のお着物をゆったりとお召しになっている。
何もかも完璧に整えられた六の君のお美しさと比べても、けっして劣らない。
むしろ宮様としては、ご愛情がより深い分、中君の方が優美だとご覧になる。
姫君らしくふくよかだったお体は、つわりで少しおやせになっている。
お肌はますます白くなって、上品でお美しい。
薫の君の移り香の件はまだ本当のところが分からないけれど、それでも特別に魅力的な人だと宮様はお思いになる。
<こんな人に男が近づいて、声や気配を聞いてしまったら、恋をせずにはいられないだろう。薫の君のように思いを募らせて当然だ>
と、好色なご自分の基準でお考えになる。
それからは中君に言い寄る男がいるのではないかと警戒なさって、お部屋の棚や箱をさりげなく覗いてごらんになるの。
恋文などが隠されていないかお探しになるけれど、そんなものはない。
薫の君からのお手紙はいくつかあったけれど、どれも真面目で事務的な内容のものばかり。
<この他にもあるのではないか>
とご不安になるのも、とくに今日は仕方がないかもしれないわね。
<薫の君もまた魅力のある人なのだ。男の値打ちが分かる女ならくらりとするに決まっている。中君が嫌がるはずがない。お似合いのふたりだから、お互い愛し合っているのでは>
切なくて腹立たしくてねたましい。
ご安心できないので、その日も二条の院にお泊まりになった。
六条の院の六の君には、お手紙を二度も三度もお送りになる。
「よくもまぁ短い間にお話しになりたいことが積もるものですね」
と、中君の老女房たちは皮肉を言っている。
宮様はご自分のお部屋にはお戻りにならず、中君と身支度を整え、ご朝食を召し上がる。
六条の院では輝くほど豪華な家具に囲まれていらっしゃったの。
こちらのお屋敷ののどかな雰囲気にほっとなさる。
あちらの女房たちはめずらしすぎる着物を着ていたけれど、こちらは着慣れたものを着て、落ち着いて働いている。
中君は優しい色のお着物をゆったりとお召しになっている。
何もかも完璧に整えられた六の君のお美しさと比べても、けっして劣らない。
むしろ宮様としては、ご愛情がより深い分、中君の方が優美だとご覧になる。
姫君らしくふくよかだったお体は、つわりで少しおやせになっている。
お肌はますます白くなって、上品でお美しい。
薫の君の移り香の件はまだ本当のところが分からないけれど、それでも特別に魅力的な人だと宮様はお思いになる。
<こんな人に男が近づいて、声や気配を聞いてしまったら、恋をせずにはいられないだろう。薫の君のように思いを募らせて当然だ>
と、好色なご自分の基準でお考えになる。
それからは中君に言い寄る男がいるのではないかと警戒なさって、お部屋の棚や箱をさりげなく覗いてごらんになるの。
恋文などが隠されていないかお探しになるけれど、そんなものはない。
薫の君からのお手紙はいくつかあったけれど、どれも真面目で事務的な内容のものばかり。
<この他にもあるのではないか>
とご不安になるのも、とくに今日は仕方がないかもしれないわね。
<薫の君もまた魅力のある人なのだ。男の値打ちが分かる女ならくらりとするに決まっている。中君が嫌がるはずがない。お似合いのふたりだから、お互い愛し合っているのでは>
切なくて腹立たしくてねたましい。
ご安心できないので、その日も二条の院にお泊まりになった。
六条の院の六の君には、お手紙を二度も三度もお送りになる。
「よくもまぁ短い間にお話しになりたいことが積もるものですね」
と、中君の老女房たちは皮肉を言っている。



