夜が明けきる前に、薫の君から中君へお手紙が届いた。
いつものように、見た目だけは真面目ぶって立派にしてある。
「あの山荘での一晩のあとのように、満たされない思いで帰りました。あなた様の冷たいご態度はごもっともですが」
という内容で、中君は困ってしまわれる。
お返事を書かなければ女房が不審に思うだろうと、
「お手紙は拝見いたしましたが、気分が悪いのでお返事できません」
とだけお書きになった。
薫の君はお読みになって、これだけかとがっかりなさる。
昨夜のおかわいらしいご様子を恋しく思い出していらっしゃる。
いつものように、見た目だけは真面目ぶって立派にしてある。
「あの山荘での一晩のあとのように、満たされない思いで帰りました。あなた様の冷たいご態度はごもっともですが」
という内容で、中君は困ってしまわれる。
お返事を書かなければ女房が不審に思うだろうと、
「お手紙は拝見いたしましたが、気分が悪いのでお返事できません」
とだけお書きになった。
薫の君はお読みになって、これだけかとがっかりなさる。
昨夜のおかわいらしいご様子を恋しく思い出していらっしゃる。



