宮様はあえて、いつもよりくつろいだご態度でお過ごしになる。
「お食事を召し上がらないのは絶対にいけません」
とおっしゃって、食べやすそうな果物を用意させたり、特別なお料理を作らせたりなさった。
でも中君は見向きもなさらないから、困ってしまわれる。
日が暮れかけたので、ご自分のお部屋へお戻りになった。
今夜はご結婚二日目の夜。
六条の院で六の君がお待ちになっているから、お出かけの準備をなさらないといけない。
秋らしい風が吹いてきて、空も美しい。
華やかなものが気になってしまうご性格の宮様は、秋の風情に誘われて、お心がいっそうそわそわする。
一方で中君のお心には、苦しいお悩みがたまっていく。
蜩が鳴いて夕暮れを知らせる。
中君は宇治の山荘を恋しく思い出された。
<宇治にいたら蜩の声などどうとも思わないままだったのに。あの声を恨めしく聞く日が来るなんて>
「お食事を召し上がらないのは絶対にいけません」
とおっしゃって、食べやすそうな果物を用意させたり、特別なお料理を作らせたりなさった。
でも中君は見向きもなさらないから、困ってしまわれる。
日が暮れかけたので、ご自分のお部屋へお戻りになった。
今夜はご結婚二日目の夜。
六条の院で六の君がお待ちになっているから、お出かけの準備をなさらないといけない。
秋らしい風が吹いてきて、空も美しい。
華やかなものが気になってしまうご性格の宮様は、秋の風情に誘われて、お心がいっそうそわそわする。
一方で中君のお心には、苦しいお悩みがたまっていく。
蜩が鳴いて夕暮れを知らせる。
中君は宇治の山荘を恋しく思い出された。
<宇治にいたら蜩の声などどうとも思わないままだったのに。あの声を恨めしく聞く日が来るなんて>



