使者はみごとな着物を肩にかけて埋もれそうになっている。
夕霧大臣様からいただいたご褒美よ。
中君の女房たちは、宮様が今朝、六の君にお手紙をお送りになったことを知らない。
でも一目見ただけで、六条の院から戻ってきた使者だと分かってしまう。
<宮様はいつの間にお手紙をお書きになっていたのかしら>
女房たちは不快に思う。
宮様も気まずい。
<何が何でも隠すべきものではないが、これほど目立つふうにして持ってきたら中君が気の毒ではないか。配慮の足りない使者だ>
と忌々しく思われるけれど、今さらどうしようもない。
女房を通してお手紙をお受け取りになった。
<こうなったからには隠さないでおこう>
宮様はお手紙を開くと、さりげなく中君のおそばにお置きになる。
本当は他の女君のご筆跡を勝手に見せるのはよくないわ。
今回は養母君様の代筆のようだから、あまり気がねせずにそんなことをなさったの。
<中君に見せても無難な内容であってほしい>
と、はらはらしながらご覧になる。
「『私の代筆では差し出がましくなりますから』と、ご自身でお書きになるよう六の君にお勧めしたのですが、ひどくご気分がお悪いようでして。お心当たりがおありでしょう」
さすが皇族出身の養母君だけあって、上品に美しく書かれている。
夕霧大臣様からいただいたご褒美よ。
中君の女房たちは、宮様が今朝、六の君にお手紙をお送りになったことを知らない。
でも一目見ただけで、六条の院から戻ってきた使者だと分かってしまう。
<宮様はいつの間にお手紙をお書きになっていたのかしら>
女房たちは不快に思う。
宮様も気まずい。
<何が何でも隠すべきものではないが、これほど目立つふうにして持ってきたら中君が気の毒ではないか。配慮の足りない使者だ>
と忌々しく思われるけれど、今さらどうしようもない。
女房を通してお手紙をお受け取りになった。
<こうなったからには隠さないでおこう>
宮様はお手紙を開くと、さりげなく中君のおそばにお置きになる。
本当は他の女君のご筆跡を勝手に見せるのはよくないわ。
今回は養母君様の代筆のようだから、あまり気がねせずにそんなことをなさったの。
<中君に見せても無難な内容であってほしい>
と、はらはらしながらご覧になる。
「『私の代筆では差し出がましくなりますから』と、ご自身でお書きになるよう六の君にお勧めしたのですが、ひどくご気分がお悪いようでして。お心当たりがおありでしょう」
さすが皇族出身の養母君だけあって、上品に美しく書かれている。



