中君もまた姉君を深く恋しがっておられるので、薫の君につられてお泣きになる。
言葉はなくても共感がお互いをつないでいく。
「『田舎は寂しいが、都のような気苦労がなくて住みやすい』と言う人もいるとか。宇治におりましたころはそもそも比べることができなかったのですけれど、都に上ってようやくその意味が分かりました。またあの静かなところで暮らしたいと願っても叶いません。山荘に残っている弁の尼がうらやましゅうございます。
もうすぐ父宮様の三回忌ですから、山寺の鐘も聞きたくて、宇治へ一度戻りたいのです。こっそり連れていってくださいませんか」
「あなた様が一度戻られたところで、山荘が荒れていくのをお止めになることはできません。八の宮様の三回忌については、山寺の阿闍梨にすべて指示してありますからご安心くださいませ。お悲しいでしょうが、この機会に山荘はお寺になさったらいかがでしょう。私も荒れていくのを見るのはつろうございますから、亡き父宮様や大君のあの世でのお幸せを祈ってそうなさるのが、一番よいような気がするのです。
どのようにでもあなた様がお決めになりましたら、謹んでお手伝いいたします。よくお考えになってお命じくださいませ。そういうご相談はいくらでも承りますが、三回忌を口実に宇治に引きこもってしまおうというお考えはいけません。お心を落ち着けて、どっしりと構えていらっしゃいますように」
軽はずみなことをなされば匂宮様がお怒りになる。
そんなことをなさってはいけないと、薫の君はご説得なさった。
言葉はなくても共感がお互いをつないでいく。
「『田舎は寂しいが、都のような気苦労がなくて住みやすい』と言う人もいるとか。宇治におりましたころはそもそも比べることができなかったのですけれど、都に上ってようやくその意味が分かりました。またあの静かなところで暮らしたいと願っても叶いません。山荘に残っている弁の尼がうらやましゅうございます。
もうすぐ父宮様の三回忌ですから、山寺の鐘も聞きたくて、宇治へ一度戻りたいのです。こっそり連れていってくださいませんか」
「あなた様が一度戻られたところで、山荘が荒れていくのをお止めになることはできません。八の宮様の三回忌については、山寺の阿闍梨にすべて指示してありますからご安心くださいませ。お悲しいでしょうが、この機会に山荘はお寺になさったらいかがでしょう。私も荒れていくのを見るのはつろうございますから、亡き父宮様や大君のあの世でのお幸せを祈ってそうなさるのが、一番よいような気がするのです。
どのようにでもあなた様がお決めになりましたら、謹んでお手伝いいたします。よくお考えになってお命じくださいませ。そういうご相談はいくらでも承りますが、三回忌を口実に宇治に引きこもってしまおうというお考えはいけません。お心を落ち着けて、どっしりと構えていらっしゃいますように」
軽はずみなことをなされば匂宮様がお怒りになる。
そんなことをなさってはいけないと、薫の君はご説得なさった。



