薫の君も匂宮様ご結婚の噂をお聞きになって、中君に同情なさっている。
<浮気っぽい宮様だから、中君をお気の毒に思いながらも、華やかな六の君にお心を移してしまわれるだろう。夕霧大臣様は六の君が中君に負けることなどお許しになるわけがない。宮様を二条の院にお帰しせず、大臣邸にずっとお引きとめなさるはずだ。これから中君は、ひたすら二条の院で宮様のお帰りを待たれることになるのか。お気の毒だ。
私が愚かだった。中君を宮様にお譲りせず、私の妻にしてしまうこともできたのに。私は大君に夢中だったのだ。どうにかしてお心をとかそうともがいていたら、大君は中君との結婚を私にお勧めになった。それが恨めしくて、中君と匂宮様を先に結びつけてしまおうなどと思いついたのだ。ずる賢いことをした罰が当たったのだろうか>
かえすがえすもお悔しい。
<匂宮様もひどいではないか。中君を粗末に扱えば仲介役をした私がどう思うか、気にしてくださってもよいはずだろう。いや、宮様はもう私が仲介したことなどお忘れかもしれない。目新しい方へどんどんご興味の移る方だから、女性への愛情だけでなく、友情も一瞬のことなのだ>
と匂宮様をお憎みになる。
一途な性格の人って、そうでない人を許せないのよね。
大君を亡くされたことがずっとおつらくて、女二の宮様とのご結婚はうれしいともお思いにならない。
むしろ中君をご自分のものにしたいというお気持ちが募っていく。
大君の妹君と思うから執着してしまわれるみたい。
<ご姉妹といっても、めずらしいほど仲のよいおふたりだった。大君は最後まで中君のお幸せを願っていらした。『何も思い残すことはないけれど、あなた様が妹と結婚してくださらなかったことだけが恨めしい』とまでおっしゃったのだ。今の中君を空からご覧になって、つらく思われているだろう>
毎晩こんなことをお考えになって、ちょっとした風の音にも目を覚ましてしまわれる。
昔のことを思い出したり、この先を心配なさったりして、つくづくつまらない世の中だとお思いになる。
<浮気っぽい宮様だから、中君をお気の毒に思いながらも、華やかな六の君にお心を移してしまわれるだろう。夕霧大臣様は六の君が中君に負けることなどお許しになるわけがない。宮様を二条の院にお帰しせず、大臣邸にずっとお引きとめなさるはずだ。これから中君は、ひたすら二条の院で宮様のお帰りを待たれることになるのか。お気の毒だ。
私が愚かだった。中君を宮様にお譲りせず、私の妻にしてしまうこともできたのに。私は大君に夢中だったのだ。どうにかしてお心をとかそうともがいていたら、大君は中君との結婚を私にお勧めになった。それが恨めしくて、中君と匂宮様を先に結びつけてしまおうなどと思いついたのだ。ずる賢いことをした罰が当たったのだろうか>
かえすがえすもお悔しい。
<匂宮様もひどいではないか。中君を粗末に扱えば仲介役をした私がどう思うか、気にしてくださってもよいはずだろう。いや、宮様はもう私が仲介したことなどお忘れかもしれない。目新しい方へどんどんご興味の移る方だから、女性への愛情だけでなく、友情も一瞬のことなのだ>
と匂宮様をお憎みになる。
一途な性格の人って、そうでない人を許せないのよね。
大君を亡くされたことがずっとおつらくて、女二の宮様とのご結婚はうれしいともお思いにならない。
むしろ中君をご自分のものにしたいというお気持ちが募っていく。
大君の妹君と思うから執着してしまわれるみたい。
<ご姉妹といっても、めずらしいほど仲のよいおふたりだった。大君は最後まで中君のお幸せを願っていらした。『何も思い残すことはないけれど、あなた様が妹と結婚してくださらなかったことだけが恨めしい』とまでおっしゃったのだ。今の中君を空からご覧になって、つらく思われているだろう>
毎晩こんなことをお考えになって、ちょっとした風の音にも目を覚ましてしまわれる。
昔のことを思い出したり、この先を心配なさったりして、つくづくつまらない世の中だとお思いになる。



