夕霧大臣様は、六の君とのご結婚の前に、匂宮様が中君を二条の院へお移ししたことがおもしろくない。
それでも六の君の裳着をすませると、
「八月には結婚していただきたい」
と匂宮様へお伝えになった。
中君も噂を耳になさった。
<やはりそうなるだろうと思っていた。頼りない境遇の私だから、きっといつか世間から笑われるような恥ずかしい目に遭わされるだろうと不安だったのだ。宮様は浮気っぽいご性格だと聞いていたけれど、おそばにいるかぎりではそんなふうにも見えなかった。むしろ将来のことを優しくお約束してくださっていたのに、突然ご冷淡になってしまわれたらどれほど悲しいだろうか。
尊い親王様であられるから、ふつうの男性のように古い妻を完全に切り捨てるということはなさらなくても、不安ばかりが増えるだろう。やはり私は不運な人生なのだ。また宇治での暮らしに戻るしかない>
これなら宇治から出なければよかったと後悔なさる。
都へ上ったのにとぼとぼと宇治へ帰れば、山里の人々に笑われるだろうとお悔しい。
<父宮様のご遺言に背いて宇治を離れたのは軽率だった>
と、恥ずかしくもつらくもお思いになる。
それでも六の君の裳着をすませると、
「八月には結婚していただきたい」
と匂宮様へお伝えになった。
中君も噂を耳になさった。
<やはりそうなるだろうと思っていた。頼りない境遇の私だから、きっといつか世間から笑われるような恥ずかしい目に遭わされるだろうと不安だったのだ。宮様は浮気っぽいご性格だと聞いていたけれど、おそばにいるかぎりではそんなふうにも見えなかった。むしろ将来のことを優しくお約束してくださっていたのに、突然ご冷淡になってしまわれたらどれほど悲しいだろうか。
尊い親王様であられるから、ふつうの男性のように古い妻を完全に切り捨てるということはなさらなくても、不安ばかりが増えるだろう。やはり私は不運な人生なのだ。また宇治での暮らしに戻るしかない>
これなら宇治から出なければよかったと後悔なさる。
都へ上ったのにとぼとぼと宇治へ帰れば、山里の人々に笑われるだろうとお悔しい。
<父宮様のご遺言に背いて宇治を離れたのは軽率だった>
と、恥ずかしくもつらくもお思いになる。



