少しお話は戻って、まだ大君が生きていらっしゃったころのこと。
そのころ帝には、藤壺の女御様というお妃様がいらっしゃった。
帝の東宮時代に一番に入内なさった方だからご愛情は深かったけれど、中宮にはおなりになれなかったわ。
源氏の君の姫君である明石の女御様が、皇子様をたくさんお生みになって、中宮の位にお立ちになったのだもの。
東宮様をはじめとして、二の宮様、三の宮であられる匂宮様、五の宮様、そして女一の宮様。
これだけの皇子様たちがすっかり成人なさって、明石の中宮様をお支えしていらっしゃる。
藤壺の女御様には女の皇子様がおひとりだけ。
<明石の中宮様に気圧されつづけた悔しい人生だった。そのかわりにこの女二の宮様をご立派にお育てして、これからの人生の慰めにしたい>
と、大切に大切になさっている。
女二の宮様はお美しいので、帝もかわいがっていらっしゃる。
帝や中宮様が特別扱いなさる女一の宮様に比べれば、どうしても世間の評判は劣るけれど、実際のお暮らしは女一の宮様に負けないほどご立派だった。
女御様の亡き父君は勢いのある大臣でいらっしゃったから、女御様には豊かなご遺産がおありなの。
経済的な不安はなく、よい女房たちを女二の宮様のためにそろえて、華やかで由緒あるようにお世話なさる。
そのころ帝には、藤壺の女御様というお妃様がいらっしゃった。
帝の東宮時代に一番に入内なさった方だからご愛情は深かったけれど、中宮にはおなりになれなかったわ。
源氏の君の姫君である明石の女御様が、皇子様をたくさんお生みになって、中宮の位にお立ちになったのだもの。
東宮様をはじめとして、二の宮様、三の宮であられる匂宮様、五の宮様、そして女一の宮様。
これだけの皇子様たちがすっかり成人なさって、明石の中宮様をお支えしていらっしゃる。
藤壺の女御様には女の皇子様がおひとりだけ。
<明石の中宮様に気圧されつづけた悔しい人生だった。そのかわりにこの女二の宮様をご立派にお育てして、これからの人生の慰めにしたい>
と、大切に大切になさっている。
女二の宮様はお美しいので、帝もかわいがっていらっしゃる。
帝や中宮様が特別扱いなさる女一の宮様に比べれば、どうしても世間の評判は劣るけれど、実際のお暮らしは女一の宮様に負けないほどご立派だった。
女御様の亡き父君は勢いのある大臣でいらっしゃったから、女御様には豊かなご遺産がおありなの。
経済的な不安はなく、よい女房たちを女二の宮様のためにそろえて、華やかで由緒あるようにお世話なさる。



