「よく見よ、この世などつまらないところだろう。さっさと出家するがよい」
仏様が薫の君にそうお勧めなさっているのか、薫の君の目の前で大君はすうっと息をひきとられた。
もちろん引きとめることなどおできにならない。
女房たちが見ていることも忘れてうろたえなさる。
中君も<私も姉君と死にたい>と動揺なさる。
正気を失ったご様子で亡骸にすがりついていらっしゃるのを、老女房たちは、
「縁起が悪うございます」
と言ってお引き離しする。
仏様が薫の君にそうお勧めなさっているのか、薫の君の目の前で大君はすうっと息をひきとられた。
もちろん引きとめることなどおできにならない。
女房たちが見ていることも忘れてうろたえなさる。
中君も<私も姉君と死にたい>と動揺なさる。
正気を失ったご様子で亡骸にすがりついていらっしゃるのを、老女房たちは、
「縁起が悪うございます」
と言ってお引き離しする。



