<内裏で舞姫が舞うのは今日のはずだ>
華やかな行事が催されている都のことを薫の君はぼんやりとお考えになる。
強い風に雪が吹かれ、荒れまどうように降っている。
<都はこれほど荒れた天気ではないだろう。大君のご病状だけでなく、山里の天気まで私を心細くさせる。結局私たちは夫婦になれずに終わるのだろうか。つらい運命だが誰のせいにすることもできない。
残された時間が短いのなら、少しの間だけでもいつものあの人に戻ってほしい。思っていることを語り合って悔いの残らないようにしたい>
そうお考えになっているうちに、日も差さないまま夜になった。
「空は暗く、宇治も私の心も暗い」
とつぶやかれる。
華やかな行事が催されている都のことを薫の君はぼんやりとお考えになる。
強い風に雪が吹かれ、荒れまどうように降っている。
<都はこれほど荒れた天気ではないだろう。大君のご病状だけでなく、山里の天気まで私を心細くさせる。結局私たちは夫婦になれずに終わるのだろうか。つらい運命だが誰のせいにすることもできない。
残された時間が短いのなら、少しの間だけでもいつものあの人に戻ってほしい。思っていることを語り合って悔いの残らないようにしたい>
そうお考えになっているうちに、日も差さないまま夜になった。
「空は暗く、宇治も私の心も暗い」
とつぶやかれる。



