薫の君は大君の隣で横になられた。
仏様との間にはついたてをお立てになったけれど、仏様のためのお香や、お供えした植物の香りはさえぎれない。
仏教を真面目に勉強なさっている薫の君は気まずくていらっしゃる。
<もうすぐ喪が明けるというのに、ここで我慢ができなくなったかのように関係を持つのは軽率だろう。やはり初めの考えどおり喪が明けるのをお待ちしよう。さすがにそのころには、大君のお心も多少ゆるむだろうから>
と、無理にお心を静めなさる。
秋の夜はどこでも物寂しいものだけれど、宇治はとくに寂しくて、山からの風も虫の音も心細く聞こえる。
薫の君がこの世の儚さをぽつりぽつりと話されると、大君はときどきお返事をなさる。
そのご様子が理想どおりでいらっしゃる。
大君はただただお悲しい。
<父宮様が心配なさっていたのはこういうことだったのか。ご自分の死後、私たち姉妹がどうなるかと嘆いていらっしゃったけれど、両親に先立たれてしまうとこんな心外な目に遭うのだ>
川音と一緒に涙が流れ落ちるような気がなさる。
仏様との間にはついたてをお立てになったけれど、仏様のためのお香や、お供えした植物の香りはさえぎれない。
仏教を真面目に勉強なさっている薫の君は気まずくていらっしゃる。
<もうすぐ喪が明けるというのに、ここで我慢ができなくなったかのように関係を持つのは軽率だろう。やはり初めの考えどおり喪が明けるのをお待ちしよう。さすがにそのころには、大君のお心も多少ゆるむだろうから>
と、無理にお心を静めなさる。
秋の夜はどこでも物寂しいものだけれど、宇治はとくに寂しくて、山からの風も虫の音も心細く聞こえる。
薫の君がこの世の儚さをぽつりぽつりと話されると、大君はときどきお返事をなさる。
そのご様子が理想どおりでいらっしゃる。
大君はただただお悲しい。
<父宮様が心配なさっていたのはこういうことだったのか。ご自分の死後、私たち姉妹がどうなるかと嘆いていらっしゃったけれど、両親に先立たれてしまうとこんな心外な目に遭うのだ>
川音と一緒に涙が流れ落ちるような気がなさる。



