明け方、お祈りをしていた阿闍梨は大君に声をおかけした。
「夜の間のご気分はいかがでしたか」
とお尋ねしてから、泣くのを我慢した声で亡き八の宮様の思い出話をする。
「あの世ではどのような世界にいらっしゃるのでしょうか。極楽浄土に行かれたに違いないと思っておりましたが、どうやらまだご成仏なさっていないようです。先日私の夢に現れてくださったときにおっしゃいました。
『この世に未練はないはずだったが、姫たちのことが気になって成仏できないでいる。悔しいことだ。成仏するためのお祈りをしてほしい』
はっきりとそうおっしゃいましたから、私もできる限りのことをしているところでございます」
薫の君はお泣きになる。
大君もつらそうにお聞きになっている。
<父宮様はあの世でさえ私のせいで苦しんでいらっしゃる。こんな私は早く死んでしまった方がよい。まだご成仏できずにさまよっていらっしゃるなら、急いで追いかけて、父宮様と同じところへ参りたい>
「夜の間のご気分はいかがでしたか」
とお尋ねしてから、泣くのを我慢した声で亡き八の宮様の思い出話をする。
「あの世ではどのような世界にいらっしゃるのでしょうか。極楽浄土に行かれたに違いないと思っておりましたが、どうやらまだご成仏なさっていないようです。先日私の夢に現れてくださったときにおっしゃいました。
『この世に未練はないはずだったが、姫たちのことが気になって成仏できないでいる。悔しいことだ。成仏するためのお祈りをしてほしい』
はっきりとそうおっしゃいましたから、私もできる限りのことをしているところでございます」
薫の君はお泣きになる。
大君もつらそうにお聞きになっている。
<父宮様はあの世でさえ私のせいで苦しんでいらっしゃる。こんな私は早く死んでしまった方がよい。まだご成仏できずにさまよっていらっしゃるなら、急いで追いかけて、父宮様と同じところへ参りたい>



