「もうひと月以上も山荘をお訪ねできていない」
宮様は気が気でなくて、今夜こそと何度もお思いになる。
でも、ちょうど内裏の行事が立てつづけにあるときで、なかなかお出かけになれない。
宇治の姫君たちは待ちくたびれていらっしゃるのだけれど。
夕霧大臣様の姫君とのご結婚を、中宮様は強くお勧めになる。
「あなたのご将来のためには、やはりしっかりした家の婿になって、妻の父という安定した後見役を得ることが大切ですよ。他に気に入った女性がいるのなら、私の女房として内裏に上がらせなさい。そうすればここでこっそりかわいがっておやりになれます。とにかく人目のあるところでは、将来の帝らしく重々しくお振舞いなさるように」
匂宮様は拒否なさる。
「どうかもう少しお待ちください。私に考えていることがあるのです」
このままでは夕霧大臣様の姫君がご正妻ということになってしまう。
中君を二番目の妻や、まして女房のような扱いはなさりたくないの。
中君とのご将来を真剣に考えておられるけれど、姫君たちはご存じないから、ただお悩みが深くなっていくばかり。
薫の君も、
<私が想像していたよりも軽いお気持ちだったようだ。今回ばかりは本気でいらっしゃると思って宇治へお連れしたが、姫君たちにとってお気の毒なことになってしまった>
と責任をお感じになる。
がっかりなさって、もう匂宮様のところへはお上がりにならない。
大君へはたびたびお見舞いのお使者を派遣なさる。
「少し回復なさいました」というお返事が女房からあり、ご多忙も重なって、五、六日お使者を遣わされない日が続いた。
<あれからどうおなりになっただろう>
とはっとなさって、お仕事もそこそこに山荘をお訪ねになった。
宮様は気が気でなくて、今夜こそと何度もお思いになる。
でも、ちょうど内裏の行事が立てつづけにあるときで、なかなかお出かけになれない。
宇治の姫君たちは待ちくたびれていらっしゃるのだけれど。
夕霧大臣様の姫君とのご結婚を、中宮様は強くお勧めになる。
「あなたのご将来のためには、やはりしっかりした家の婿になって、妻の父という安定した後見役を得ることが大切ですよ。他に気に入った女性がいるのなら、私の女房として内裏に上がらせなさい。そうすればここでこっそりかわいがっておやりになれます。とにかく人目のあるところでは、将来の帝らしく重々しくお振舞いなさるように」
匂宮様は拒否なさる。
「どうかもう少しお待ちください。私に考えていることがあるのです」
このままでは夕霧大臣様の姫君がご正妻ということになってしまう。
中君を二番目の妻や、まして女房のような扱いはなさりたくないの。
中君とのご将来を真剣に考えておられるけれど、姫君たちはご存じないから、ただお悩みが深くなっていくばかり。
薫の君も、
<私が想像していたよりも軽いお気持ちだったようだ。今回ばかりは本気でいらっしゃると思って宇治へお連れしたが、姫君たちにとってお気の毒なことになってしまった>
と責任をお感じになる。
がっかりなさって、もう匂宮様のところへはお上がりにならない。
大君へはたびたびお見舞いのお使者を派遣なさる。
「少し回復なさいました」というお返事が女房からあり、ご多忙も重なって、五、六日お使者を遣わされない日が続いた。
<あれからどうおなりになっただろう>
とはっとなさって、お仕事もそこそこに山荘をお訪ねになった。



