美しく飾られた船が宇治川を行ったり来たりする。
楽しそうな音楽も山荘まで聞こえてきた。
若い女房たちは川の方の濡れ縁に出て、遠くのそのご様子にうっとりしている。
こっそりとしたお出かけと薫の君はおっしゃっていたけれど、とてもそんなふうには見えないほどお供が多い。
宮様が都でどれほど大切にされていらっしゃるかが伝わってくるの。
中国の詩を作る博士もお供している。
黄昏時になると船を岸につけて、音楽を演奏させながら、それぞれ詩をお作りになる。
貴族たちはいかにも楽しそうにしているけれど、宮様は上の空でいらっしゃる。
<ここまで来ているのに中君に会えない。目の前でにぎやかにされるだけでは気分を悪くなさるだろう>
薫の君としても、お供の貴族たちがここまで増えて、浮かれて盛り上がるとは思っていらっしゃらなかった。
このまま宮様を山荘にお連れしたら大騒ぎになってしまう。
もう少し落ち着いてからと宮様にお伝えなさっているところへ、夕霧大臣様のご長男が正装姿でお越しになった。
実は、このお出かけを中宮様が知ってしまわれたの。
「たいしたお供も連れずに行かれたらしい。いくらこっそりなさっても世間が気づかないわけがない。尊いご身分にふさわしくないお出かけとして語り継がれてしまう」
いそいでお迎えにあがれとご命令を受けて、たくさんの上級貴族を連れていらっしゃった。
親王様のお出かけとなれば、まぁ、このくらいのお供をそろえるのがふつうなのよね。
宮様も薫の君もこれではもうどうしようもない。
すっかりつまらなくなってしまわれた。
そんなお胸のうちも知らず、貴族たちは呑気にお酒を飲んで楽しんでいる。
楽しそうな音楽も山荘まで聞こえてきた。
若い女房たちは川の方の濡れ縁に出て、遠くのそのご様子にうっとりしている。
こっそりとしたお出かけと薫の君はおっしゃっていたけれど、とてもそんなふうには見えないほどお供が多い。
宮様が都でどれほど大切にされていらっしゃるかが伝わってくるの。
中国の詩を作る博士もお供している。
黄昏時になると船を岸につけて、音楽を演奏させながら、それぞれ詩をお作りになる。
貴族たちはいかにも楽しそうにしているけれど、宮様は上の空でいらっしゃる。
<ここまで来ているのに中君に会えない。目の前でにぎやかにされるだけでは気分を悪くなさるだろう>
薫の君としても、お供の貴族たちがここまで増えて、浮かれて盛り上がるとは思っていらっしゃらなかった。
このまま宮様を山荘にお連れしたら大騒ぎになってしまう。
もう少し落ち着いてからと宮様にお伝えなさっているところへ、夕霧大臣様のご長男が正装姿でお越しになった。
実は、このお出かけを中宮様が知ってしまわれたの。
「たいしたお供も連れずに行かれたらしい。いくらこっそりなさっても世間が気づかないわけがない。尊いご身分にふさわしくないお出かけとして語り継がれてしまう」
いそいでお迎えにあがれとご命令を受けて、たくさんの上級貴族を連れていらっしゃった。
親王様のお出かけとなれば、まぁ、このくらいのお供をそろえるのがふつうなのよね。
宮様も薫の君もこれではもうどうしようもない。
すっかりつまらなくなってしまわれた。
そんなお胸のうちも知らず、貴族たちは呑気にお酒を飲んで楽しんでいる。



