野いちご源氏物語 四七 総角(あげまき)

宇治(うじ)(がわ)でおもしろい(りょう)を行う季節でございますよ。紅葉(こうよう)も見ごろでしょう」
(かおる)(きみ)匂宮(におうのみや)様を宇治へお(さそ)いになった。
このくらいの口実(こうじつ)があれば、匂宮様もお出かけをご決心しやすい。

<親しい貴族たちだけを連れてこっそり行こう>
とお思いだったけれど、(みかど)中宮(ちゅうぐう)様から特別に愛されていらっしゃる匂宮様だもの。
いつの間にか話が広がって、たくさんの貴族がお(とも)することになってしまった。
夕霧(ゆうぎり)大臣(だいじん)様のまだお若いご子息(しそく)までお越しになるみたい。
それでも、とくにご身分の高い貴族はそのご子息と薫の君だけ。
中宮様にも内緒(ないしょ)の気楽なお出かけではあるわ。