薫の君は三条のお屋敷に大君を迎えようと考えていらっしゃる。
火事で焼けてしまって建て直し中だけれど、完成したら奥様としてお移りいただくおつもりよ。
<こういうときにただの貴族は気楽だ。誰を妻にしても世間からとやかく言われない。宮様は本気で中君を愛しておいでなのに、世間に遠慮してご結婚を公表できずにいらっしゃる。それでご夫婦どちらもお苦しいことになっているのだ。
私としてもお気の毒だから、ご結婚のことをこっそり中宮様にお話ししてしまおうか。しばらくはお怒りになるだろうが、中君にとっては最終的にはその方がよい。せっかく宇治まで行かれても、朝までのんびり過ごせず宮様はおつらそうだ。私にできることがあれば、何でもしてさしあげたいが>
もうすぐ冬の衣更えの日がやって来る。
ご自分の他にお世話する人はいないだろうと、宇治の姫君たちへは薫の君がすべてそろえてお贈りになった。
火事で焼けてしまって建て直し中だけれど、完成したら奥様としてお移りいただくおつもりよ。
<こういうときにただの貴族は気楽だ。誰を妻にしても世間からとやかく言われない。宮様は本気で中君を愛しておいでなのに、世間に遠慮してご結婚を公表できずにいらっしゃる。それでご夫婦どちらもお苦しいことになっているのだ。
私としてもお気の毒だから、ご結婚のことをこっそり中宮様にお話ししてしまおうか。しばらくはお怒りになるだろうが、中君にとっては最終的にはその方がよい。せっかく宇治まで行かれても、朝までのんびり過ごせず宮様はおつらそうだ。私にできることがあれば、何でもしてさしあげたいが>
もうすぐ冬の衣更えの日がやって来る。
ご自分の他にお世話する人はいないだろうと、宇治の姫君たちへは薫の君がすべてそろえてお贈りになった。



