はるばる宇治までお越しになっても、すぐに都へ戻らなければならないことを、匂宮様もつらくお思いになっている。
都と宇治の距離を姫君たちはよくお分かりになっていない。
<たまにしかお越しくださらないということは、やはりすぐに捨てられて笑い者になるのでは>
と不安に思っていらっしゃる。
それがまた匂宮様にはお苦しい。
こっそり中君を引き取れるようなお屋敷が都にあればよいのよね。
でも、こっそりというのは意外と難しい。
ご自宅の二条の院にお迎えしたら世間の噂になるだろうし、六条の院は夕霧大臣様が夏の御殿にお住まいになっている。
大臣様はご自分の姫君と匂宮様を結婚させたいとお考えだから、そんなところへ中君をお迎えするわけにもいかない。
姫君とのご結婚に乗り気でない匂宮様を大臣様は恨めしく思って、帝や明石の中宮様にまでご不満をお伝えになる。
ここまで話が大事になると、宮様がそれ以上の女君とのご結婚を望まれないかぎり、このご縁談は進んでいってしまう。
中君が「それ以上の女君」にあたるかどうかは微妙なところなの。
いくら宮家の姫君とはいえ、宇治でひっそりお育ちになったから、世間はそれほどの評価をしていない。
いっそのこともっと低いご身分の女君だったら、女房として二条の院でも六条の院でも連れてくることができる。
でも匂宮様は、中君を女房扱いするだなんてまったくお考えにならない。
もし将来ご自分が帝におなりになることがあれば、中宮にしてあげたいとまでお思いになっているのだもの。
ただ、今すぐ中君に華やかな立場を用意しておあげになることはできない。
都と宇治の距離を姫君たちはよくお分かりになっていない。
<たまにしかお越しくださらないということは、やはりすぐに捨てられて笑い者になるのでは>
と不安に思っていらっしゃる。
それがまた匂宮様にはお苦しい。
こっそり中君を引き取れるようなお屋敷が都にあればよいのよね。
でも、こっそりというのは意外と難しい。
ご自宅の二条の院にお迎えしたら世間の噂になるだろうし、六条の院は夕霧大臣様が夏の御殿にお住まいになっている。
大臣様はご自分の姫君と匂宮様を結婚させたいとお考えだから、そんなところへ中君をお迎えするわけにもいかない。
姫君とのご結婚に乗り気でない匂宮様を大臣様は恨めしく思って、帝や明石の中宮様にまでご不満をお伝えになる。
ここまで話が大事になると、宮様がそれ以上の女君とのご結婚を望まれないかぎり、このご縁談は進んでいってしまう。
中君が「それ以上の女君」にあたるかどうかは微妙なところなの。
いくら宮家の姫君とはいえ、宇治でひっそりお育ちになったから、世間はそれほどの評価をしていない。
いっそのこともっと低いご身分の女君だったら、女房として二条の院でも六条の院でも連れてくることができる。
でも匂宮様は、中君を女房扱いするだなんてまったくお考えにならない。
もし将来ご自分が帝におなりになることがあれば、中宮にしてあげたいとまでお思いになっているのだもの。
ただ、今すぐ中君に華やかな立場を用意しておあげになることはできない。



