<薫の君なら味方になってくれるはずだ>
匂宮様はほっとしてご相談なさる。
「どうしたらよいだろう。三日目の夜だから伺わないわけにはいかないのに、こんなに暗くなってしまった」
中君に本気でいらっしゃるかどうかがこれで分かるだろうと、薫の君はわざと冷たいことをおっしゃる。
「ひさしぶりに参内なさったのですから宿直なさるしかありますまい。泊まらずにお帰りになったら、中宮様はますますお怒りになりましょう。中宮様が宮様にお説教なさったと、先ほど女房たちから聞きましたよ。ご仲介役をしたことで私までお叱りを受けるのではないかとひやひやしております」
「意地悪なことを言うではないか。中宮様は私の女好きを困ったものだと仰せになったが、そんなことは世間が勝手に言っているだけだ。実際は違う。そうやってあれこれ噂される窮屈な身分こそが困りものだというのに」
親王という尊いご身分が邪魔だと本気でお思いになっているみたい。
お気の毒になって薫の君がおっしゃる。
「今夜宇治へお行きになってもならなくても、これまでのことが親王様として軽率なお振舞いであることに変わりはありません。でしたら今夜の中宮様のお叱りは、私が代わりにお受けいたしましょう。ご到着がこれ以上遅くなってはいけません。馬でお行きなされませ。ますます世間の噂になってしまわれるでしょうが」
薫の君がおっしゃるとおり、すっかり夜が更けてしまっている。
匂宮様は思いきって馬でご出発なさった。
「お供はいたしません。こちらに残って中宮様へうまく申し上げておきましょう」
とおっしゃって、薫の君は内裏にお残りになる。
匂宮様はほっとしてご相談なさる。
「どうしたらよいだろう。三日目の夜だから伺わないわけにはいかないのに、こんなに暗くなってしまった」
中君に本気でいらっしゃるかどうかがこれで分かるだろうと、薫の君はわざと冷たいことをおっしゃる。
「ひさしぶりに参内なさったのですから宿直なさるしかありますまい。泊まらずにお帰りになったら、中宮様はますますお怒りになりましょう。中宮様が宮様にお説教なさったと、先ほど女房たちから聞きましたよ。ご仲介役をしたことで私までお叱りを受けるのではないかとひやひやしております」
「意地悪なことを言うではないか。中宮様は私の女好きを困ったものだと仰せになったが、そんなことは世間が勝手に言っているだけだ。実際は違う。そうやってあれこれ噂される窮屈な身分こそが困りものだというのに」
親王という尊いご身分が邪魔だと本気でお思いになっているみたい。
お気の毒になって薫の君がおっしゃる。
「今夜宇治へお行きになってもならなくても、これまでのことが親王様として軽率なお振舞いであることに変わりはありません。でしたら今夜の中宮様のお叱りは、私が代わりにお受けいたしましょう。ご到着がこれ以上遅くなってはいけません。馬でお行きなされませ。ますます世間の噂になってしまわれるでしょうが」
薫の君がおっしゃるとおり、すっかり夜が更けてしまっている。
匂宮様は思いきって馬でご出発なさった。
「お供はいたしません。こちらに残って中宮様へうまく申し上げておきましょう」
とおっしゃって、薫の君は内裏にお残りになる。



