野いちご源氏物語 四七 総角(あげまき)

(かおる)(きみ)からはお手紙が届いた。
「昨夜は(うかが)おうかと迷いましたが、一昨日(おととい)の冷たいお()()ちが(うら)めしくてお伺いいたしませんでした。三日目の夜にあたる今夜こそは参上して雑用係を(つと)めなければと思っておりますが、やはり一昨日の寒々しい一人(ひとり)()がよくなかったのでしょうか、体調を(くず)してひどくなる一方ですので、屋敷に引きこもっております」
飾りけのない紙に事務的に書かれている。

今夜ご姉妹がお召しになるためのお着物も、お手紙と一緒に届いた。
とても美しく仕立てられていて、よく見ると下着の(そで)に何か書いてある。
「下着姿で慣れ親しんだ仲とまでは申しませんが、それに近いことはあった私たちですね」
ご冗談でしょうけれど(おど)すような文面(ぶんめん)に、大君はひやりとなさる。