野いちご源氏物語 四七 総角(あげまき)

「三日目の夜はご結婚成立のおめでたい夜ですから、ご新婚夫婦はお(もち)を召し上がるのですよ」
女房(にょうぼう)たちが大君(おおいぎみ)にお教えした。
<そういうお祝いはきちんとしてあげなければ>
と大君は張りきって、ご自分の前で作らせなさる。

かといって、普段はお食事のご指示などなさっていないもの。
お子が何人かいてもおかしくないお年だけれど、世間の物慣れた奥様たちとは違う。
いわゆる主婦の役目(やくめ)をすることに抵抗(ていこう)があって、もじもじと恥ずかしがっていらっしゃるのがおかわいらしい。
落ち着いて()(だか)いお人柄(ひとがら)だけれど、ご長女でいらっしゃるからか、人のために何かしてあげたいというお気持ちが強いのよね。