肝心の中君は魂が抜けたようになっておられる。
新婦として美しく飾りたてられていらっしゃっても、涙がとまらない。
大君も泣いておっしゃる。
「私は長生きするつもりはなかったから、父宮様がお亡くなりになったあとは、ただあなたのことだけを心配していたのですよ。はじめはこのご結婚に反対だったけれど、女房たちは願ってもないご縁だと申すから、年寄りの意見には一理あるのかもしれないと思うようになりましてね。
それでも、本当はもっとゆっくり心の準備をさせてあげたかったのです。どたばた騒ぎのあげく急に決まるだなんて思いもしませんでした。これが世間の言う、逃れられない運命というものなのかもしれませんね。
私も苦しいのですよ。あなたが少し落ち着いたら、このご結婚について私が何も知らなかったことをご説明しましょう。私を憎いと思わないでちょうだい」
中君のお髪を優しくなでておあげになる。
中君はお返事をなさらないけれど、
<さすがに姉君が私の不幸を願われるはずはない。これまでさんざんご心配をおかけしておいて、さらに宮様に捨てられるようなことになったらどうしよう>
とこちらはこちらでお悩みになっている。
新婦として美しく飾りたてられていらっしゃっても、涙がとまらない。
大君も泣いておっしゃる。
「私は長生きするつもりはなかったから、父宮様がお亡くなりになったあとは、ただあなたのことだけを心配していたのですよ。はじめはこのご結婚に反対だったけれど、女房たちは願ってもないご縁だと申すから、年寄りの意見には一理あるのかもしれないと思うようになりましてね。
それでも、本当はもっとゆっくり心の準備をさせてあげたかったのです。どたばた騒ぎのあげく急に決まるだなんて思いもしませんでした。これが世間の言う、逃れられない運命というものなのかもしれませんね。
私も苦しいのですよ。あなたが少し落ち着いたら、このご結婚について私が何も知らなかったことをご説明しましょう。私を憎いと思わないでちょうだい」
中君のお髪を優しくなでておあげになる。
中君はお返事をなさらないけれど、
<さすがに姉君が私の不幸を願われるはずはない。これまでさんざんご心配をおかけしておいて、さらに宮様に捨てられるようなことになったらどうしよう>
とこちらはこちらでお悩みになっている。



