お屋敷が火事で焼けてしまったあと、薫の君は母宮様と六条の院にお住まいになっている。
匂宮様も六条の院にお部屋がおありだから、気軽にお訪ねしやすいのよ。
薫の君がいつもお顔をお見せになることを、匂宮様も満足そうになさっている。
匂宮様のお部屋は理想的に優雅で、お庭も特別な風情がある。
花の姿も、木や草が風になびく様子も他のところとは一味違う。
小川に映った月さえ絵に描いたように美しい。
<こんな月の美しい明け方は起きておいでだろう>
と薫の君が思われたとおり、匂宮様は月を眺めていらっしゃった。
薫の君の香りが風に乗って宮様のところまで届いて、はっとお気づきになる。
上着を着て身なりを整えなさると、濡れ縁までお出ましになった。
薫の君は濡れ縁に上がる階段の途中でかしこまっていらっしゃる。
「部屋のなかへ」
とはおっしゃらず、宮様もその場にお座りになった。
手すりにもたれて世間話をなさる。
宇治の姫君たちのことも話題になった。
昨夜のことをご存じない宮様は、
「仲介役のそなたは何をしているのだ。中君からよいお返事がいただけないが」
とお恨みになる。
<自分の恋さえうまく進められず面倒なことになっているのに、ここからどうやって宮様の恋を叶えてさしあげたらよいのか>
薫の君は苦々しいけれど、
<そうか、先に宮様と中君をご夫婦にしてしまえば、大君は私に向き合ってくださるかもしれない>
と思いついて、いつもより真剣に匂宮様とお話しなさった。
匂宮様も六条の院にお部屋がおありだから、気軽にお訪ねしやすいのよ。
薫の君がいつもお顔をお見せになることを、匂宮様も満足そうになさっている。
匂宮様のお部屋は理想的に優雅で、お庭も特別な風情がある。
花の姿も、木や草が風になびく様子も他のところとは一味違う。
小川に映った月さえ絵に描いたように美しい。
<こんな月の美しい明け方は起きておいでだろう>
と薫の君が思われたとおり、匂宮様は月を眺めていらっしゃった。
薫の君の香りが風に乗って宮様のところまで届いて、はっとお気づきになる。
上着を着て身なりを整えなさると、濡れ縁までお出ましになった。
薫の君は濡れ縁に上がる階段の途中でかしこまっていらっしゃる。
「部屋のなかへ」
とはおっしゃらず、宮様もその場にお座りになった。
手すりにもたれて世間話をなさる。
宇治の姫君たちのことも話題になった。
昨夜のことをご存じない宮様は、
「仲介役のそなたは何をしているのだ。中君からよいお返事がいただけないが」
とお恨みになる。
<自分の恋さえうまく進められず面倒なことになっているのに、ここからどうやって宮様の恋を叶えてさしあげたらよいのか>
薫の君は苦々しいけれど、
<そうか、先に宮様と中君をご夫婦にしてしまえば、大君は私に向き合ってくださるかもしれない>
と思いついて、いつもより真剣に匂宮様とお話しなさった。



