薫の君は姫君たちにお見舞いをおっしゃったあと、ご法要のために必要な書類をお書きになる。
すると、ついたての隙間から、総角の形の紐飾りがちらりと見えた。
「それはたしか、糸をより合わせて紐にしたものを、しっかりと結んで作るのでしたね。私もあなた様と寄りそいあって、末永い夫婦の関係を結びたいのですが」
書類のついでにそんなことを紙に書くと、大君にお渡しになった。
<また面倒なことをおっしゃる>
と大君は思われたけれど、お返事をお書きになる。
「今にも死んでしまいそうな私でございますから、末永いお約束などどうしてできましょうか」
冷たいお返事をご覧になって、
<私こそ、この人を妻にできなければ死んでしまいそうなのに>
と薫の君は恨めしそうになさっていたわ。
すると、ついたての隙間から、総角の形の紐飾りがちらりと見えた。
「それはたしか、糸をより合わせて紐にしたものを、しっかりと結んで作るのでしたね。私もあなた様と寄りそいあって、末永い夫婦の関係を結びたいのですが」
書類のついでにそんなことを紙に書くと、大君にお渡しになった。
<また面倒なことをおっしゃる>
と大君は思われたけれど、お返事をお書きになる。
「今にも死んでしまいそうな私でございますから、末永いお約束などどうしてできましょうか」
冷たいお返事をご覧になって、
<私こそ、この人を妻にできなければ死んでしまいそうなのに>
と薫の君は恨めしそうになさっていたわ。



