弁の君をはじめとしたお節介な老女房たちは、うまくいったとよろこんでいる。
「ところで中君はどこにいらっしゃるのでしょう。変ですね」
とお探ししては、
「消えてしまわれたわけはないのだから、どこかに隠れておいでなのでしょうよ」
などと呑気に言っている。
「それにしてもあれほどご立派な薫の君を、どうして大君は嫌がっておられるのか。結婚できずに女盛りを過ぎると恐ろしい神様が憑りつくと言うけれど、そのしわざかもしれない」
歯の抜けた女房が意地悪そうに言う。
「まぁ、縁起でもない。そんな不吉なものに憑りつかれてなどいらっしゃいませんよ。ただ、母君を早くに亡くされて、母君の代わりに男女のことをお教えするお身内もおられませんでしたから、このお年になってもひたすら恥ずかしがっておいでなのです。今に自然とお慣れになって、奥様らしくおなりになりますよ」
「早くそうなっていただきたいものですね」
そんなことを言っているうちに寝てしまったみたい。
やかましいいびきが響きはじめた。
「ところで中君はどこにいらっしゃるのでしょう。変ですね」
とお探ししては、
「消えてしまわれたわけはないのだから、どこかに隠れておいでなのでしょうよ」
などと呑気に言っている。
「それにしてもあれほどご立派な薫の君を、どうして大君は嫌がっておられるのか。結婚できずに女盛りを過ぎると恐ろしい神様が憑りつくと言うけれど、そのしわざかもしれない」
歯の抜けた女房が意地悪そうに言う。
「まぁ、縁起でもない。そんな不吉なものに憑りつかれてなどいらっしゃいませんよ。ただ、母君を早くに亡くされて、母君の代わりに男女のことをお教えするお身内もおられませんでしたから、このお年になってもひたすら恥ずかしがっておいでなのです。今に自然とお慣れになって、奥様らしくおなりになりますよ」
「早くそうなっていただきたいものですね」
そんなことを言っているうちに寝てしまったみたい。
やかましいいびきが響きはじめた。



