<九月は結婚によくない月だから、今月中に>
と薫の君は宇治へお越しになった。
ついたて越しに直接お話ししたいとお伝えなさったけれど、大君はお断りになる。
「気分がすぐれませんので、そちらまで出てまいれません」
と女房を通じてお返事なさった。
「思ってもみないほど頑固でいらっしゃいますね。女房たちが不審に思いますよ」
薫の君は紙に書いて女房にお預けになった。
「父宮様の喪が明けたことで動揺しております。かえって気持ちが沈んでしまいましたからお話しできません」
大君はまた女房を通じてお答えなさった。
大君のご態度を恨めしく思って、薫の君は弁の君をお呼びになった。
あれこれおっしゃるのを、弁の君はごもっともだとお聞きしている。
心細い生活に疲れきった弁の君や他の女房たちにとっては、薫の君だけが希望の光なの。
どうにかおふたりがうまくいって、大君が都へ迎えられる日が来てほしいと願っている。
そのためなら大君のお気持ちは二の次で、
「薫の君が次にお越しになったときには、ご寝室にお入れしてしまいましょう」
と女房同士で決めてしまっていた。
と薫の君は宇治へお越しになった。
ついたて越しに直接お話ししたいとお伝えなさったけれど、大君はお断りになる。
「気分がすぐれませんので、そちらまで出てまいれません」
と女房を通じてお返事なさった。
「思ってもみないほど頑固でいらっしゃいますね。女房たちが不審に思いますよ」
薫の君は紙に書いて女房にお預けになった。
「父宮様の喪が明けたことで動揺しております。かえって気持ちが沈んでしまいましたからお話しできません」
大君はまた女房を通じてお答えなさった。
大君のご態度を恨めしく思って、薫の君は弁の君をお呼びになった。
あれこれおっしゃるのを、弁の君はごもっともだとお聞きしている。
心細い生活に疲れきった弁の君や他の女房たちにとっては、薫の君だけが希望の光なの。
どうにかおふたりがうまくいって、大君が都へ迎えられる日が来てほしいと願っている。
そのためなら大君のお気持ちは二の次で、
「薫の君が次にお越しになったときには、ご寝室にお入れしてしまいましょう」
と女房同士で決めてしまっていた。



