野いちご源氏物語 四七 総角(あげまき)

こうしてなんとか(はち)(みや)様の一周(いっしゅう)()が終わり、姫君(ひめぎみ)たちは喪服(もふく)をお脱ぎになることになった。
<もう一年も()ったのだ。父宮(ちちみや)様がお亡くなりになったら、私たちは一日たりとも生きていられないと思っていたのに>
と、ご姉妹は生きながらえたことがつらくて泣き沈んでいらっしゃる。

新しくお召しになった薄い灰色のお着物はとても上品で、(おんな)(ざか)りの中君(なかのきみ)をいっそう引き立てる。
(ぐし)などを整えさせて、大君(おおいぎみ)はにっこりと微笑(ほほえ)まれた。
<嫌なことをすべて忘れてしまうような美しさだ。これなら(かおる)(きみ)にもご満足いただけるだろう>
と、妹君(いもうとぎみ)のご将来に期待なさっているの。
すっかりご自分が親になったつもりでお世話していらっしゃる。