匂宮様から中君にお手紙が届いた。
「宇治へはなかなか参れませんから、都にお移りいただこうと思います」
とある。
急にどうしたのかというと、なんと中宮様のお許しが出たの。
「宇治の大君が亡くなって、あの薫の君が茫然となさっているとか。よほどの女性だったのだろうと世間も噂しています。その人の妹君ならば、とても女房扱いできるような人ではないのでしょうね。あなたの自宅である二条の院へお迎えになって、ときどき内裏から通っておあげなさい」
と、匂宮様にひそかにおっしゃった。
<そのあとで姉宮様の女房になさるおつもりだろうか>
と疑いつつも、宮様は中君を都にお呼びできることがうれしくて、よろこんでお手紙をお送りになったというわけ。
そういう計画が進んでいるということが薫の君のお耳にも入った。
<三条の屋敷の建て直しがすんだら、私も大君を都にお迎えするつもりだった。大君が亡くなってしまわれたから、その代わりに中君をお迎えすることだってできなくはなかっただろうに>
今さらどうにもならないことを考えて、寂しくなってしまわれる。
それでも薫の君は真面目なご性格だから、
<宮様の妻になられた方にそんなことを考えてはいけない。ご後見役を果たせるのは私だけだ。しっかりお世話申し上げなければ>
と思い直される。
「宇治へはなかなか参れませんから、都にお移りいただこうと思います」
とある。
急にどうしたのかというと、なんと中宮様のお許しが出たの。
「宇治の大君が亡くなって、あの薫の君が茫然となさっているとか。よほどの女性だったのだろうと世間も噂しています。その人の妹君ならば、とても女房扱いできるような人ではないのでしょうね。あなたの自宅である二条の院へお迎えになって、ときどき内裏から通っておあげなさい」
と、匂宮様にひそかにおっしゃった。
<そのあとで姉宮様の女房になさるおつもりだろうか>
と疑いつつも、宮様は中君を都にお呼びできることがうれしくて、よろこんでお手紙をお送りになったというわけ。
そういう計画が進んでいるということが薫の君のお耳にも入った。
<三条の屋敷の建て直しがすんだら、私も大君を都にお迎えするつもりだった。大君が亡くなってしまわれたから、その代わりに中君をお迎えすることだってできなくはなかっただろうに>
今さらどうにもならないことを考えて、寂しくなってしまわれる。
それでも薫の君は真面目なご性格だから、
<宮様の妻になられた方にそんなことを考えてはいけない。ご後見役を果たせるのは私だけだ。しっかりお世話申し上げなければ>
と思い直される。



