薫の君はすっかり山荘の主人のように振舞っていらっしゃる。
女房たちを気軽にお使いになっているのを、匂宮様はうらやましくもおかしくもお思いになる。
それでも、ひどくおやせになってお顔の色が悪いことをお気の毒に思って、丁寧なお見舞いをおっしゃった。
<どれほど優れた女性だったか、この宮様には知っていただきたい>
とお思いになるけれど、口に出そうとなさると悲しみが襲ってくる。
いかにも気が弱く見えてしまうだろうと恥ずかしがって、あまりお話しにならない。
ずっと泣きどおしでお顔がやつれていらっしゃる。
それがむしろ清らかにお美しい。
<こんな男が近くにいたら、女なら誰でも心惹かれてしまうだろう>
宮様は好色なご自分を基準にお考えになって、中君のことがご心配になる。
<世間から悪く言われないように、中君をうまく都へ引き取ろう>
とお決めになった。
中君の冷たいご態度は変わらないままだけれど、帝や中宮様はきっとお怒りだろうから、今日は内裏へお帰りにならなければいけない。
その前にお言葉を尽くして中君をお慰めになる。
<冷たくされるのがどれほどつらいかお分かりになったらよいわ>
と中君はお返事をなさらない。
宮様すごすごとお帰りになった。
女房たちを気軽にお使いになっているのを、匂宮様はうらやましくもおかしくもお思いになる。
それでも、ひどくおやせになってお顔の色が悪いことをお気の毒に思って、丁寧なお見舞いをおっしゃった。
<どれほど優れた女性だったか、この宮様には知っていただきたい>
とお思いになるけれど、口に出そうとなさると悲しみが襲ってくる。
いかにも気が弱く見えてしまうだろうと恥ずかしがって、あまりお話しにならない。
ずっと泣きどおしでお顔がやつれていらっしゃる。
それがむしろ清らかにお美しい。
<こんな男が近くにいたら、女なら誰でも心惹かれてしまうだろう>
宮様は好色なご自分を基準にお考えになって、中君のことがご心配になる。
<世間から悪く言われないように、中君をうまく都へ引き取ろう>
とお決めになった。
中君の冷たいご態度は変わらないままだけれど、帝や中宮様はきっとお怒りだろうから、今日は内裏へお帰りにならなければいけない。
その前にお言葉を尽くして中君をお慰めになる。
<冷たくされるのがどれほどつらいかお分かりになったらよいわ>
と中君はお返事をなさらない。
宮様すごすごとお帰りになった。



