<匂宮様を中君と結びつけたのは私だ。つらい思いをおさせしてしまった>
薫の君は後悔しながら、大君のために一晩中お経をお読みになる。
まだ夜が深く、雪でひどく寒いのに、たくさんの人の声が聞こえてくる。
馬のいななきも聞こえた。
「誰がこんな夜中に雪のなかをやって来たのだろう」
山荘に籠っている僧侶たちも驚く。
お越しになったのは匂宮様だった。
馬にお乗りになるための質素なお着物が、雪でひどく濡れている。
戸をお叩きになる音で薫の君は宮様だとお気づきになった。
ご対応は女房に任せて、ご自分はお部屋の奥に隠れてしまわれる。
宮様は中君がご心配で、この雪のなかを無理して宇治までいらっしゃったの。
ここしばらくのおつらさが消えてもよいはずだけれど、中君はお会いしようとはなさらない。
<姉君は宮様の薄いご愛情を嘆いていらっしゃった。そのままお亡くなりになってしまったのだから、今さら優しくしてくださったところでもう遅い>
でも女房たちがそれでよいと言うはずもない。
口々に説得されて、物越しでお会いになる。
宮様は必死に弁解なさるけれど、中君はただぼんやり聞いていらっしゃる。
ほとんどお返事もおできにならない。
「私も死んでしまいたい」というお気持ちだけが伝わってくる。
宮様は長い間放っておいてしまったことをすまなくお思いになる。
薫の君は後悔しながら、大君のために一晩中お経をお読みになる。
まだ夜が深く、雪でひどく寒いのに、たくさんの人の声が聞こえてくる。
馬のいななきも聞こえた。
「誰がこんな夜中に雪のなかをやって来たのだろう」
山荘に籠っている僧侶たちも驚く。
お越しになったのは匂宮様だった。
馬にお乗りになるための質素なお着物が、雪でひどく濡れている。
戸をお叩きになる音で薫の君は宮様だとお気づきになった。
ご対応は女房に任せて、ご自分はお部屋の奥に隠れてしまわれる。
宮様は中君がご心配で、この雪のなかを無理して宇治までいらっしゃったの。
ここしばらくのおつらさが消えてもよいはずだけれど、中君はお会いしようとはなさらない。
<姉君は宮様の薄いご愛情を嘆いていらっしゃった。そのままお亡くなりになってしまったのだから、今さら優しくしてくださったところでもう遅い>
でも女房たちがそれでよいと言うはずもない。
口々に説得されて、物越しでお会いになる。
宮様は必死に弁解なさるけれど、中君はただぼんやり聞いていらっしゃる。
ほとんどお返事もおできにならない。
「私も死んでしまいたい」というお気持ちだけが伝わってくる。
宮様は長い間放っておいてしまったことをすまなくお思いになる。



