あれから、なんだか当たり前のように、毎日のお昼は佐野と屋上で過ごすようになった。
放課後も、ちょっとした寄り道をして、気づけば一緒にいる時間がどんどん長くなっていた。
普通に、付き合ってるみたいにキスはしてくるくせに、肝心なことは、一言も言われていないし、あたしからも言っていない。
あたしたちの今の関係って、いったい何なんだろう。
そう考えるたびに、胸の奥がもやもやして、言葉にできない感情がじわじわ広がる。
別に、このままでいいって、そう思っていたはずなのに。
でも、街を歩いていて、堂々と手をつないで歩くカップルたちを見かけると、どうにもならない気持ちが胸をぎゅっと締めつける。
なんであたしたちは、言葉で確認できないままなのだろう。
勇気がないし、言いたくない。
でも、目の前の佐野のことを考えると、心の中で渦巻く気持ちが、どうにも押さえられなくなる。
それに、消化できていないことだって、まだある。
佐野は、あのパンケーキの日に一緒にいた女の子とは、いったいどうなっているのか、とか。
でも、それを口に出して確認してしまったら、いやでも、あたしたちの関係にも、名前をつけないといけない気がする。



