イダテンの社員が口々に頷き合う。
「いや、事務をメインで担当してもらっていますが、仕事が早い上に丁寧でノーミスです」
美波は驚いて目を瞬かせた。
「むしろ、よく助けられています」
「私なんて細々したこと苦手だから、入江さんがいなかったら大変でしたよ」
美波は胸が熱くなるのを感じた。
(皆……そんな風に思ってくれていたんだ……)
幹事の磯野もうんうんと頷く。
「そうそう。そうなんですよ。三井部長も入江さんなら信頼できるって言っていたなあ」
「……」
なぜか茉莉が一瞬眉を顰める。しかし、数秒後には「美波も成長したのね」と姉らしい言葉をかけてきた。
「しっかりやれているなら安心したわ」
「いやあ、それにしても」
磯野は再び美波と茉莉を見比べた。
「きょうだいだけあって似ていますね」
「……」
茉莉の表情がひくりと強張る。だが、すぐに笑みを浮かべた。
「……そうですか? 昔から声は似ているって言われていたんですが」
「声もそうですけど、顔立ちとか。美人姉妹ですよね。綺麗系と知的系って感じで。あっ、まずい。今の時代にはセクハラになるのか」
「でも、こっちの入江さんが知的系ってわかりますよ。私も初めて会った時頭よさそうって思いましたもん」
「入江さん、出身大学ってどこだったっけ?」
「は、はい。Y大の経済学部です」
皆が「おー」と声を上げた。
「国立ってすごいじゃないか。あそこの経済学部レベル結構高いだろう」
「三井部長って入江さんを育てるつもりなのかもしれませんね。じゃないとプロジェクトに参加させないでしょうし」
「だな。違いない」
美波は目を瞬かせた。
昔はどれだけ自分を見てほしいと頑張っても、茉莉と比べられて呆れられるだけだったのに。
「お姉さんの入江さんは……」
「……私はK大です」
「おー。じゃあ、同じくらいの学力だったんだ」
「やっぱり血が繋がっていると似るんですね」
「んなことないぞ。俺の弟は俺と違ってイケメンでモテモテで、昔から兄貴としての立場がなくてさあ……」
皆わいわい盛り上がる。茉莉も雰囲気に合わせて笑っていたが、不意に鋭い視線を美波に向けてきた。
美波には茉莉が何を言いたいのかがすぐにわかった。
『――いい気になるんじゃないわよ』
「いや、事務をメインで担当してもらっていますが、仕事が早い上に丁寧でノーミスです」
美波は驚いて目を瞬かせた。
「むしろ、よく助けられています」
「私なんて細々したこと苦手だから、入江さんがいなかったら大変でしたよ」
美波は胸が熱くなるのを感じた。
(皆……そんな風に思ってくれていたんだ……)
幹事の磯野もうんうんと頷く。
「そうそう。そうなんですよ。三井部長も入江さんなら信頼できるって言っていたなあ」
「……」
なぜか茉莉が一瞬眉を顰める。しかし、数秒後には「美波も成長したのね」と姉らしい言葉をかけてきた。
「しっかりやれているなら安心したわ」
「いやあ、それにしても」
磯野は再び美波と茉莉を見比べた。
「きょうだいだけあって似ていますね」
「……」
茉莉の表情がひくりと強張る。だが、すぐに笑みを浮かべた。
「……そうですか? 昔から声は似ているって言われていたんですが」
「声もそうですけど、顔立ちとか。美人姉妹ですよね。綺麗系と知的系って感じで。あっ、まずい。今の時代にはセクハラになるのか」
「でも、こっちの入江さんが知的系ってわかりますよ。私も初めて会った時頭よさそうって思いましたもん」
「入江さん、出身大学ってどこだったっけ?」
「は、はい。Y大の経済学部です」
皆が「おー」と声を上げた。
「国立ってすごいじゃないか。あそこの経済学部レベル結構高いだろう」
「三井部長って入江さんを育てるつもりなのかもしれませんね。じゃないとプロジェクトに参加させないでしょうし」
「だな。違いない」
美波は目を瞬かせた。
昔はどれだけ自分を見てほしいと頑張っても、茉莉と比べられて呆れられるだけだったのに。
「お姉さんの入江さんは……」
「……私はK大です」
「おー。じゃあ、同じくらいの学力だったんだ」
「やっぱり血が繋がっていると似るんですね」
「んなことないぞ。俺の弟は俺と違ってイケメンでモテモテで、昔から兄貴としての立場がなくてさあ……」
皆わいわい盛り上がる。茉莉も雰囲気に合わせて笑っていたが、不意に鋭い視線を美波に向けてきた。
美波には茉莉が何を言いたいのかがすぐにわかった。
『――いい気になるんじゃないわよ』

