「入江美波と申します。普段は営業事務を担当しております」

「……!」

 その声を聞いた瞬間、翔は「ああ、やっと見つけた」と感じた。

 万感の思いが胸に押し寄せる。

 初めて見る彼女の顔は優しそうで、ずっと思い描いていた通りの女性だった。

("ナツ"、いいや、入江美波さん、やっとあんたに会えた―。)