冬の光にヴェールは要らない

買い物を終えて壮矢の家のピンポンをもう一度鳴らすと、次はすぐに扉は開かなかった。数十秒してから、扉が開く。

「おかえり。ありがとう、万桜」

「ううん、拓人くんはどう?」

「さらに熱が下がってた。今、お粥を温めていた所」

そんな会話をしながら、私は靴を脱いで家の中に上がらせてもらう。

「お邪魔します」

本当は買ったものだけ渡して帰った方が良いかと思ったが、ちょっとだけでも拓人くんの顔を見たかった。

部屋に入ると、すぐに拓人くんが私に気づいた。

「え、なんで万桜お姉ちゃんがいるの!?」

「ちょっと壮矢に用事があったの。拓人くんの顔も見れて良かった」

「折角、万桜お姉ちゃんが来てくれるなら一緒に遊びたかったー! 今日はお熱があって……」

「大丈夫だよ。遊ぶのはまた今度にしよ」

「じゃあ、僕が寝るまでいてくれる?」

拓人くんの言葉に私は笑顔で頷いた。