冬の光にヴェールは要らない

「いいの?」

 壮矢は慌てていながらも、そう問いかけた。

「いいよ。今はそんなことを言っている場合じゃないし。それに……ううん、なんでもない」

私は自分自身が何の言葉を(つむ)ごうとしたのか分からなかった。

きっと「少しは信用している」と伝えたかったのだと思う。

壮矢の家を出て、スーパーまでの道を自転車を()いで進んでいく。

いつの間に私は壮矢を信頼していたのだろう。

壮矢の前で泣いた時? 嘘をついても良いと言ってくれた時? 

分からないけれど、もう逃げようとは思わなくなっていた。

本心を見せたくないくせに……上辺だけの繋がりを求めているくせに相手に甘えて最低だね。

そんな心の声が聞こえた気がした。