冬の光にヴェールは要らない

壮矢は顔を抑えるようにしながら、私にもう一度謝る。

「ごめん、結構高熱だから心配で。それに熱がある時に両親が二人ともいないのはあまりなかったから」

早口でそう話す壮矢に向かって、安心させるように私は言葉を紡いでいく。

「大丈夫。まずは壮矢が落ち着いて。夜間の救急外来だってある。もし本当に大変な時は私の両親を呼んで、病院に連れていってもらおう」

私の言葉に壮矢はゆっくりと顔を上げた。

「ごめん、焦りすぎてた。熱もさっきより引いてきているし、とりあえず買い出しに行ってくる」

「待って。逆にしよう。欲しいものを教えて。私が買い出しに行くから。その方が拓人くんも安心すると思う」

壮矢はその考えすら思いつかないほど慌てていたらしい。すぐに私の案を了承して、買い物メモを渡してくれる。

「何かあったらいつでも電話して」

私は壮矢にほとんど使っていないSNSアカウントではなく、いつも使っているアプリの連絡先を教える。