冬の光にヴェールは要らない

この状況で放っておけなくて、私は「大丈夫」と返す。

すると、すぐに壮矢から家の住所が送られてくる。

色々なことが巡っていた頭の中は、目の前の出来事に塗りつぶされてしまっていた。

壮矢の家は案外近くて、自転車で10分ほどの距離だった。

私が壮矢の家のチャイムを鳴らすと、すぐに扉が開く。

「ごめん、万桜」

扉を開けた瞬間にそう謝る壮矢の顔色は心配で埋め尽くされていた。

「今日はお母さんがいてくれたんじゃないの?」

「夜に仕事が入ってたんだ。だから逆に昼間に拓人と遊べて……」

「そうだったんだ。じゃあ、私が拓人くんを見ているからその間に……」

私が話している言葉を途中で止めてしまうほど、壮矢は動揺していた。