冬の光にヴェールは要らない

家に帰って、杏香と通話を繋ぐまでベッドに横になる。

ベッドの顔を埋めると、当たり前のように息がしづらくなる。
 
ふわっと今まで言われた言葉が頭を巡り始める。

「万桜って友達多いよね」



「なんか万桜の友達って私じゃなくても良さそう」



その言葉が頭を巡った時、息が詰まったような感覚が身体全体をを襲ってくる。
 
ねぇ、聞きたいよ。

その言葉は悪口じゃないの? 

オブラートに包めば何を言っても良いの?
 
大好きだった友達にそう言われた時、心が壊れたのだと思う。

だって、逆でしょう?
 
そんなことを言う貴方こそ「私」が友達じゃなくても良いのだ。

私の代わりなんて沢山いて、私はクラスで一人ぼっちにならないための道具でしかない。

その後の繋がりは……たまに取る連絡はパフォーマンスのようなものだと思ってしまった。