冬の光にヴェールは要らない

私がそんな拓人くんの後を追うように立ちあがろうとすると、グッと腕を引っ張られた。壮矢が私を見上げている。

「絶対また来て欲しい」

「……」

「約束だから。破ったら毎日連絡する」

返事が出来ない私に壮矢が立ち上がる。

そして何故か自分のスクールバッグを取りに行き、英語の教科書を持ってきて私に押し付けた。

「次の英語の授業は木曜だから。水曜の放課後には返して」

壮矢の言葉の意味を理解した私は、慌てて教科書を押し返そうとしたが壮矢はそれを許さない。

私より先に拓人くんの所へ向かってしまう。